心理学者明

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退職後の手持ち無沙汰が招いたスマホゲーム依存…63歳男性の習慣を変えるには

私は63歳の男性です。定年退職してから3年が経ち、毎日が手持ち無沙汰で、特に午後の時間が長く感じられます。もともと几帳面で真面目な性格で、何かをしていないと落ち着かないタイプです。最近、スマートフォンのソリティア(一人用トランプゲーム)にはまってしまい、気がつけば1日に4〜5時間もプレイしてしまう日があります。最初は暇つぶしのつもりでしたが、次第に『今日はあと1時間だけ』と自分に言い聞かせても、つい続けてしまい、夕食の準備がおろそかになることも。妻からは『またあのゲーム?』と呆れられた声をかけられます。ゲームをしている間は時間を忘れ没頭できるのですが、やめた後に『また無駄な時間を過ごしてしまった』と自己嫌悪に陥ります。この年になって、なぜこんな単純なゲームに依存してしまうのでしょうか?この習慣を断ち切り、もっと生産的な時間の使い方をしたいのですが、何から始めればよいでしょうか?

心理学者とAI

定年後の男性が午後の長い時間にスマートフォンのソリティアゲームにはまり、自己嫌悪に陥っている様子を描いたイラスト。

健一様、ご相談をありがとうございます。63歳という新たな人生のステージで、時間の使い方に悩まれているお気持ち、よく理解できます。退職後の生活リズムの変化は、誰にとっても大きな適応を必要とします。もともと几帳面で真面目な性格であるがゆえに、手持ち無沙汰な時間が生んだ空白を、ゲームという一つの行動で埋めようとされているのでしょう。これは単なる「意志の弱さ」ではなく、生活の構造が変化したことへの自然な反応と言えるかもしれません。ゲームは明確なルールと即時のフィードバックがあり、没頭することで一時的に達成感や没頭感を得られます。これが、目的を見失いがちな時間帯に強力な引き寄せ効果を生んでいるのです。

まず、大切なのは自己嫌悪を手放すことです。「無駄な時間」と感じるご自身を責めるのではなく、この習慣があなたに何をもたらしているのか、客観的に振り返ってみてください。ゲームはおそらく、退屈や漠然とした不安から一時的に逃れる回避手段として機能している面があります。習慣を変える第一歩は、このゲーム時間を完全に否定するのではなく、置き換えていく発想です。例えば、午後のゲーム時間の最初の30分を、別の小さな活動に充ててみるのはいかがでしょうか。散歩、読書、庭いじり、あるいは長年気になっていた趣味の手始めなど、身体や頭を程よく使う活動が効果的です。重要なのは「生産的でなければ」と気負いすぎず、「没頭できる別の何か」を見つけることです。

また、几帳面さというご自身の資質を、新しい生活のリズム作りに活用することを提案します。一日の大まかなスケジュールを書き出し、その中に「ゲーム(または別の趣味)の時間」をあえて30分から1時間、正式に組み込んでしまうのです。それ以外の時間帯にはスマートフォンを別の部屋に置くなどの物理的な環境調整も有効です。さらに、ご家族の存在をプラスに活用できないか考えてみましょう。妻様に「呆れられた声」をかけられることが、かえって罪悪感を増幅させている可能性もあります。率直に「時間の使い方を見直したいと思っている」と伝え、午後の短い散歩に付き合ってもらうなど、ささやかな共同作業の機会を作ることで、孤立感が和らぎ、新たな習慣の定着を助けてくれるかもしれません。

長年仕事に打ち込まれてきた方ですから、完全な無為の時間に居心地の悪さを感じるのは当然です。しかし、この時期は「何かを成し遂げる」ことから少し距離を置き、自分自身のペースで世界と再び関わることを学ぶ貴重な期間でもあります。スマホゲームへの依存は、その過程で起きた一つの「寄り道」に過ぎません。一気に変えようとせず、小さな一歩から始め、時には後戻りしても自分を許容しながら、あなただけの新しい日課を少しずつ紡いでいかれることを願っています。

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